どう

どう
I
どう
(感)
牛馬を制する時の掛け声。

「どうどう」とくりかえすことが多い。 「はいしい~, ~」

II
どう
(接頭)
〔近世語〕
名詞・形容詞などに付いて, ののしる気持ちをこめる。

「や, いき掏盗(ズリ)め, ~ずりめ/浄瑠璃・天の網島(上)」「~しぶとい女郎め/歌舞伎・児雷也」

〔接頭語「ど」のもとの形かという〕
III
どう【動】
動くこと。 動きのあること。

「~と静の対照的な性格」

~無し
物に動じる様子がない。

「心も騒ぎてしたひ来たれど, 動もなくて奥なる御座に入り給ひぬ/源氏(帚木)」

IV
どう【同】
(1)前に出た語句を繰り返し書く代わりに用いる語。

「昭和六〇年入学, ~六三年卒業」

(2)前に述べた語句を受けて, 連体詞的に「その…」の意を表すのに用いる。

「~提案」「~論文」

V
どう【堂】
※一※ (名)
(1)神仏をまつる建物。
(2)多くの人の集まる建物。
(3)客に接したり, 礼楽を行なったりする所。 正殿。
※二※ (接尾)
屋号・雅号, または建物の名などにつけて用いる。

「静嘉~」「哲学~」

~に入(イ)・る
〔「堂に升(ノボ)り室に入らず」から〕
学問や技術が奥深いところまで進んでいる。 転じて, 物事に習熟している。 身についている。

「~・った挨拶」

~に升(ノボ)り室(シツ)に入らず
〔「論語(先進)」。 孔子が子路の学問について, 建物には登ったがその奥にある部屋にはまだ入っていないと評したことから〕
学問や技芸は上達したが, いまだ奥義を究めていないことのたとえ。
VI
どう【如何】
(1)物事の内容・状態, またやり方などについて疑問に思う気持ちを表す。 どのように。

「~なっているんだろう」「~したらいいか」「~行こうか」

(2)疑問に思いつつ, それを否定・拒否する気持ちを表す。

「~でもいい」

(3)(「どう…ても」の形で)その物事について考えられるすべての手段・方法をつくすことを表す。

「~してもだめだ」「~見てもにせものとは思えない」「~考えても理解に苦しむ」

(4)呼びかけて, 相手の意向や様子などをたずねる気持ちを表す。 どうか。 いかが。

「その後~お過ごしですか」「このネクタイでは~ですか」「もう一局~ですか」「~だ, 参ったか」

~あっても
どういう状況でも。 どうしても。

「命令だから, ~実行しなければならぬ」

~いたしまして
お礼を言われたり詫びを言われたりした時に答える挨拶の言葉。

「『昨日は失礼しました』『~』」

~しようも無・い
(1)そうなるよりほかに方法がない。 他に方策のとりようもない。

「もうこうなったら~・い」

(2)救いがたい。

「~・いやつだ」

VII
どう【幢】
〔呉音〕
(1)「幢(ハタホコ)」に同じ。
(2)仏教の荘厳(シヨウゴン)具の一。 仏・菩薩が法の王将であることを象徴する旗。 竿につるし, あるいは柱にかけて用いる。
(3)とばり。
VIII
どう【筒】
(1)双六(スゴロク)や博打(バクチ)で, さいころを中に入れて振るつつ。 また, それを振る人。

「~をひねりて, とみにも打ち出でず/源氏(常夏)」

(2)(「胴」とも書く)「筒元(ドウモト)」「筒親(ドウオヤ)」「筒取(ドウトリ)」の略。
(3)「轂(コシキ)」に同じ。
(4)「胴{(4)}」に同じ。
IX
どう【胴】
(1)動物の頭・手足・尾を除いた, 体の中心をなす部分。 胴体。
(2)特に, 腹部のあたり。

「~まわり」「~抜き」

(3)(ア)胸・腹部をおおう鎧(ヨロイ)または剣道の防具。 (イ)剣道で, 決まり手の一。 {(3)(ア)}の部位を打つもの。
(4)太鼓・三味線などで, 音が反響するように, 中空にした部分。 筒(ドウ)。
(5)和船の腹部。
(6)きも。 度胸。
~が据(ス)わ・る
覚悟がきまる。 腹がすわる。

「今はなかに~・つて/婦系図(鏡花)」

~を据(ス)・う
度胸をすえる。 腹をすえる。

「吾妻死に身と~・ゑ/浄瑠璃・淀鯉(下)」

X
どう【道】
(1)みち。
(2)人のふみおこなうべきみち。
(3)〔仏〕 仏教徒として修行すべきおこない。 八正道のこと。 また, 仏の教え。 仏道。
(4)「道教」の略。

「儒・仏・~」

(5)都・府・県と同等の地方公共団体。 北海道のこと。 また, 「北海道」の略。
(6)律令制で, 畿内以外の諸国を大別した行政区画。 東海道・東山道・西海道など。
(7)中国, 唐代の行政区画の一。 全国を一〇道に区分。
(8)朝鮮の行政区画の一。
XI
どう【銅】
〔copper; (ラテン) cuprum〕
銅族に属する遷移元素の一。 元素記号 Cu 原子番号二九。 原子量六三・五五。 天然には黄銅鉱・孔雀石・輝銅鉱・赤銅鉱などとして産出。 光沢ある赤色の金属で展性・延性に富む。 炎色反応は青緑色を呈する。 比重八・九五。 湿った空気中ではさびて緑青(ロクシヨウ)を生ずる。 熱・電気の伝導度は銀に次ぐ。 古くから用いられ, そのまま, あるいは青銅・黄銅などの合金にして用いる。 また, 生体, 特に植物にとって重要な働きをする。 あかがね。
XII
どう【鐃】
にょう(鐃)

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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